ZARD『永遠 君と僕との間に』(幻冬舎 2019年)

「読書ノート」というカテゴリーを作ろうと思っていました。最初は何にしようか?という考えがあったのですが、本書に決めました。展覧会を観に行ったこともあって、個人的にブームが来ています。何より、「怠惰な私にとっては」新鮮な情報が多かったからです。

 

語りたいことはたくさんあるのですが、いくつかに分けて語りたいと思います。例えば、楽曲に関しては、「私的名曲」的なくくりでお話したいと思います。とりあえずは、本の内容を一部ピックアップする形で語りたいと思います。

 

1.ZARDのコンセプトは「平成に生きる昭和の女」(P117)

 

ほとんどのファンにとっては自明のことだと思います。私も、言われてみれば、なるほどなと頷きます。ただ、このコンセプトを知らなかったため、私はZARDの歌詞を微妙に読み違えていました。詳しくは、楽曲単位で、他の項で語るつもりですが。

 

以下の私の語りにも影響しますが、このコンセプトは、坂井さん、長戸大幸社長以下スタッフの間で、徹底されていたようです。良くも悪くも、ZARDらしくないものは、徹底的に排除していたようです。それが、メディア露出の制限につながっていたそうです(P152)。いずれにせよ、坂井さんは、「ZARD坂井泉水」であることを全うした方なんだと思います。

 

2.ZARDという「プロジェクト」を引っ張る「お姉さん」「姉御肌」(P98)

 

坂井泉水さんの写真としては、愁いを帯びた、うつむき加減の写真が、印象深いのではないかと思います。そこから、坂井泉水さんのイメージは、はかなげな女性というイメージが強かったと思います。実際、長戸社長の弟さんや長戸社長の知人(ZARDファン)は、坂井さんと最初にお会いした時に、そこにいるのが他ならぬ、坂井泉水さんだとは分からなかったそうです(P99)。

 

ただ、私は、たまに耳に入る坂井泉水以前、すなわち蒲池幸子さんの情報と、楽曲から受ける感じから、それだけではないのではないか?と思っていました。それに関しては、私の予想通りでした。本書に語られる坂井さんの実像は、私がイメージしていた坂井泉水さん(蒲池幸子さん?)でした。

 

中学生時代に陸上に打ち込み、スポーツ万能だった。就職しても夢を諦め切れず芸能界に飛び込む。(当初所属していた)事務所が取ってきた仕事に全力で取り込む。また、坂井さんの歌声に隠されているが、楽曲そのものは、どちらかというと隙を感じさせないものでした。

 

これらの、私が得ていた数少ない情報からも、坂井さんが「はかないだけの」女性でないことは明らかでした。よくよく考えれば、ミュージックビデオの坂井さんからは、イメージよりも伸びやかな印象を受けていました。私個人としては、アーティストイメージに必ずしも収まらない、坂井泉水さんが魅力的でした。

 

3.「美しく写っている写真は、デビューしたときから、CDジャケットやプロモーションにはあえて使わず封印していました」(長戸社長 P153)

 

これは、驚きです。「ZARDのイメージに合わないから封印しました」だったら理解できます。それは、2でも述べたとおり、ありうる話だからです。しかし、「美しい」から使わないってどういうこと?と、読んでいて一瞬戸迷いました。「美しい」から使うんじゃないの?そもそも、流布している写真の坂井さんは、充分すぎるほど「美しい」んですけど、それすら凌ぐ「美しい」写真があるって、どんだけええ?

 

失礼しました。長戸社長の弁を再び引用すると、こういうことらしいです。「実物の坂井」さんはきれいすぎたため、「女性にも好かれるように、せめて女性を敵にまわさないように」封印したそうです。「女性を敵にまわす」「美しさ」って、分かるような分からないような。ただ、「実物の坂井」さんが、「写真以上に」美しかったことは、他のスタッフの方々も、証言しています。

 

「実際の坂井さんは顔立ちがはっきりした美形でした」(アートディレクター鈴木謙一氏 P93)

「CDジャケットよりもはるかに美しくて、びっくりしました」(アーティスト・アンド・リレーション小林さゆ里氏 P150)

 

美しさって「諸刃の剣」なんですね。

 

4.坂井泉水逝去後、……、500枚を超える直筆メモがあることがわかった(P238)

 

生前の坂井さんは、「旅行用のキャリーバッグ」でなければ運べないほどの「言葉ノート」を持ち歩いていたそうです(P109)。私たちは、その結晶としての全155曲(だったかな?)を耳にすることができます。ただ、そのことからも推察できますが、世に出ている坂井さんの作品は、坂井さんが紡いでいた言葉の「ほんの一部」であるのでしょう。坂井さんが、一つの作品に、いかに自分のインプットを凝縮していたかがわかります。

 

ただ、そう考えると、「作詞家坂井泉水」は、完全に花開いていたのかな、とも思います。坂井さんが残した作品は素晴らしく、坂井さんの作詞家としての才能の高さを十分に感じさせるものでした。でも、それは、作詞家坂井泉水の「断片」に過ぎないのではないかとも思えます。「作詞家坂井泉水」として本当に花開くのは、まだ先だったのではないかと思います。

 

坂井さんは、もともと文章を書くことは好きだったようです(P102)。長戸社長のアドバイスもあり、様々な文学上・芸術上の名作に触れていき、「スポンジが水を吸い込むように」作詞家として成長していったそうです。ただ、私が思うに、その成長曲線は、長戸社長が思い描いていた以上だったのではないか、と思います。その成長は、亡くなるまで留まることはなかったのではないかと思います。

 

だからこそ、私は、「作詞家坂井泉水」の行きつく先を見たかったな、という思いがあります。本書にはありませんが、B'zの稲葉浩志さんは、坂井さんが亡くなったときに、「まだ表現したいことがあったはず。本人としても悔しいのではないか」という趣旨のコメントを送っていたと記憶します(間違っていたらごめんなさい)。稲葉さんにも、同じアーティストとして、そう感じるものがあったのではないかと、勝手に思い込んでいます。

 

あくまで、勝手な思い込みなのですが、一つの方向性として、演歌歌謡曲に詞を提供するのはどうだったかな、と思っています。なぜならば、「平成に生きる昭和の女」というイメージを最も求めているのが、演歌歌謡曲界だと思うからです。それまで得たノウハウを生かしやすく、作詞家としての幅を広げるには、いいきっかけになったのではないかと、勝手に思い込んでいます。もっとも、「平成に生きる昭和の女」のイメージがより強固になり、逆に活動の幅を狭めてしまう危険性がありますが。

 

5.結びとして

 

だいたい、ここで述べたいことは、語りつくしました。最後に、私と、坂井泉水さんとの唯一の共通点について触れたいと思います。坂井さんは、熱烈な「巨人ファン」だったそうです(P154)。たったそれだけ?それだけです。ただ、読んでいて、勝手にうれしくなりました。本当に、しょうもないです。

 

ただ、そういう意味で、1993年にリリースした『果てしない夢を』は、坂井さんにとっても思い出深かったのではないかと思います。なぜならば、この作品では、長嶋茂雄元監督との共演が実現しているからです。巨人ファンならば、当然うれしかったでしょうね。

 

本書からは、坂井泉水さんが、ZARDの活動に心血を注いでいた姿が浮かび上がってきます。それは、私が思い浮かべていた坂井さんの姿です。ただ、それだけに、ZARD坂井泉水に捉われない、作詞家坂井泉水を見てみたかったという思いもあります。

 

私は、すでに坂井泉水さんが亡くなった年齢を越えてしまいました。亡くなってから14年ですか。早いですね。それでも、いまだにZARDの人気が根強いのは、坂井さんが残した作品が素晴らしいということが、まず大きいと思います。ただそれ以上に、ファンの多くは、永遠に見ることは叶わなくなった坂井さんの「その後の」活動に、それぞれ思いを寄せているからではないでしょうか。坂井泉水さんは、それだけの大きなポテンシャルをまだ秘めていたんだ!ということを再度強調して、結びとしたいと思います。

 

 

関心がある「歴史上」の人物リスト【ホ】 53人

ポー(1809~49)米の詩人・作家。妻没後の放埓な生活で文学史上特異な傑作を多く残す。

ホアン=ホア=タム(1846~1913)ベトナムの抗仏戦争指導者として国民的に敬愛される。

ホイジンガ(1872~1945)蘭の歴史家。『中世の秋』『ホモ=ルーデンス』などで名高い。

ホイットマン(1819~92)米の詩人。卑語俗語を交え自由な作品で後世に影響。生涯独身。

パティ・ボイド

ホイヘンス(1629~95)蘭の数学者・物理学者・天文学者。それぞれの分野で業績。

ボイル(1627~91)英の化学者・物理学者。王立協会創設。「近代科学の父」。生涯独身。

デビッド・ボウイ(1947~2016)英の音楽家・俳優。大胆な変化を厭わず多い後進に影響

ボーヴォワール(1908~86)仏の作家・哲学者。著書『第二の性』で婦人解放運動に貢献。

北条氏康

北条早雲(1432~1519)室町・戦国時代の武将。後北条氏の基礎を築き「下剋上」の象徴。

北条時頼

北条政子(1157~1225)源頼朝の妻。幕府内での北条氏による実権掌握に努めた「尼将軍」。

北条義時

法然(1133~1212)浄土宗の開祖。専修念仏を唱え、民衆はじめ広範囲に支持を広げた。

方臘(?~1121)北宋末期の農民反乱指導者。マニ教系秘密結社教主と言われる。

ホガース(1697~1764)英の画家・版画家。伝統的形式を嫌い下層民の生活を中心に活写。

ジェフ・ポーカロ(1954~92)米のドラマー。「TOTO」リーダー。多くの録音に参加。

墨子(前480頃~前390頃)中国、戦国時代の思想家。儒学に飽き足らず墨家の始祖。

冒頓単于(?~前174)モンゴル高原匈奴の君主。北アジア初の大帝国築き前漢を圧迫。

星新一

保科正之(1611~72)会津藩主。3代将軍家光の異母弟。家光、家綱を補佐。朱子学奨励。

星野仙一(1947~2018)野球選手・指導者。現役引退後、タレント・監督として人気。

蒲松齢(1640~1715)清朝期の文人科挙に合格できず民話を収集。妖怪孤鬼に心情託す。

ヒエロニムス・ボス(1450?~1516)フランドルの画家。幻想的で怪異な作風後世影響大。

ホスロー1世(?~579)イラン、ササン朝の王。内政外征に業績。文化奨励。最盛期演出。

ホーソン(1804~64)米の小説家。深い洞察力に基づき明晰な文体・卓越した寓意で名声。

ビアトリクス・ポター

ホー=チ=ミン(1890~1969)ベトナムの革命家・政治家。「ベトナム建国の父」と敬愛。

ボッカチオ(1313~75)伊、ルネサンス期の文学者。貧困の中多くの作品を著した。

ボッサード(1888~1960)米の社会学者。「社会的場」を分析し子供の発達に関して研究。

ボッティチェリ(1444/45~1510)伊ルネサンス初期の画家。ローマ、フィレンツェで活動。

エドワード・ホッパー

エリック・ホッファー(1902~83)米の社会哲学者。独学。働きながら思索を展開。

ボードレール(1821~67)仏の詩人・批評家。自由放埓な人生。20世紀に入り再評価。

ジョン・ボーナム(1948~80)英のドラマー。ロックドラムに革新をもたらす。不慮の死。

ホメイニ(1902~89)イランのシーア派宗教指導者・革命家・政治家。イラン革命指導者。

ホメロス(?)古代ギリシア叙事詩人。『イリアス』『オデュッセイア』の編者とされる。

ホラティウス(前65~前8)古代ローマ叙事詩人。近代の詩や文学に大きな影響。

マーク・ボラン(1947~77)英の音楽家。「Tレックス」改名後に名曲連発。自動車事故死。

ビリー・ホリデイ(1915~59)英のジャズ歌手。壮絶な人生で名演を残し後進に影響大。

ポリュクレイトス(前200~前120頃)古代ローマギリシア系歴史家。大著『歴史』著述。

ボルジア(1475~1507)伊の貴族。アレクサンデル6世の私生児。波乱に満ちた生涯。

ポル=ポト(1925~98)カンボジアの政治家。反対派大虐殺で有名。失脚後ゲリラ活動。

ボレスワフ1世(966~1025)ポーランド王。軍隊を強化・文化奨励。

WFホワイト(1914~2000)米の社会学者。都市社会学エスノグラフィーの先駆者。

ホンタイジ

本田宗一郎(1906~91)実業家・技術者。本田技研工業創業者。世界的大企業に育てる。

本多静六(1866~1952)林学者・造園家「公園の父」。株式投資で、巨万の富を築く。

本多忠勝

本田美奈子(1967~2005)歌手・声楽家。アイドル活動後、ミュージカル等に進出。病死。

ポンパドゥール(1721~64)仏王ルイ15世の愛人。虚栄と浪費癖が強く国庫に多大な負担。

ポンピドゥー(1911~64)仏の政治家。首相。彼の発案で現代芸術の総合文化施設が開設。

 

もちろん、人名録を基に作成しているので、偉人揃いなのは当然です。濃い方々が揃っています。ただ、この項は、特に濃い方々が多いような気がしています。今までの項でも、特に着目している方を探すのは大変でしたが、この項は特にそうですね。なぜなんでしょうかね。

関心がある「歴史上」の人物リスト【ヘ】 32人

ヘイエルダール(1914~2002)ノルウェーの探検家・文化人類学者。ポリネシア文化研究。

ジンジャー・ベイカー(1939~2019)英のドラマー。ロックに加えジャズなどから影響。

サチュエル・ペイジ

トマス・ペイン(1737~1809)英生まれの啓蒙思想家。アメリカ独立に貢献。晩年は不遇。

ヘーゲル(1770~1831)独の哲学者。ドイツ観念論哲学を集大成した。

ロジャー・ベーコン(1214頃~94)英の哲学者・自然科学者。西欧近代科学の先駆者。

ヘシオドス(?)前700年頃、古代ギリシア叙事詩人。ホメロス以来の大叙事詩人。

ペスタロッチ(1746~1827)スイスの教育者。人間の平等を基調とした教育を目指した。

ジョージ・ベスト(1946~2005)サッカー選手。華麗なプレーで人気。不摂生で短い現役。

ヘルマン・ヘッセ(1877~1962)独の詩人・小説家。危機に瀕した西欧文明と近代を批判。

ヘディン(1865~1952)スウェーデンの地理学者・探検家。4回にわたり中央アジアを探検。

ベートーベン(1770~1827)ドイツの作曲家。古典派音楽集大成。ロマン派音楽の先駆者。

ペトラルカ(1304~74)伊ルネサンス初期の詩人。独特の近代的憂鬱と自然描写の恋愛詩。

オードリー・ヘプバーン(1929~93)米で活躍した英俳優。後半生は援助活動に従事。

ベーベル(1840~1913)独の社会主義者。雄弁な理論的指導者として活躍。女性解放運動。

ヘミングウェイ(1899~1961)米の作家。「失われた世代」「ハードボイルド」。猟銃自殺。

へライクレイトス(前550頃~前480頃)古代ギリシアの哲学者。「万物は生成・流転する」。

チャック・ベリー(1926~2017)米のギタリスト。ロックンロール創始者の1人で敬愛。

ペリオ(1878~1945)仏の東洋学者・探検家。東西各言語に精通、歴史・美術史知識豊富。

ベーリング(1681~1741)露の探検家。デンマーク生まれ。シベリア、カムチャッカ探検。

グラハム・ベル(1847~1922)米の電気技師・発明家・教育家。電話機発明慈善事業推進。

ベルグソン(1859~1941)仏の哲学者。ユダヤ系。「生の哲学」を説き、ノーベル文学賞

ベルニーニ(1598~1680)伊の彫刻家・建築家。ローマを美の都に変えたバロックの巨匠。

ヘルムホルツ(1821~94)独の生理学者・物理学者。分野をまたいだ自然科学の巨人。

ベルリオーズ(1803~69)仏の作曲家・評論家。標題音楽を始める。苦難の生涯。

ベンサム(1748~1832)英の哲学者・経済学者・法学者。功利主義哲学創始者。生涯独身。

カール・ベンツ

ヘンデル(1685~1759)英の作曲家。独生まれ。バロック音楽の旗手。

ジミ・ヘンドリックス(1942~70)米の音楽家。現在もロック史上最高ギタリストと称賛。

ヴァルター・ベンヤミン(1892~1940)独の哲学者・社会批評家。深い思索・分析で高名。

パトリック・ヘンリ(1736~99)アメリカ独立革命指導者。憲法に「権利の章典」追加。

ヘンリ8世(1491~1547)イギリス王。絶対王政確立。国教会独立。6度の結婚。

 

改めてみると、結構面白い方々が揃っているかな、という印象です。文芸・音楽・スポーツ方面で活躍した方々が多いですかね。

 

ここで挙げるのは、ヘンリ8世ですかね。おそらく、イギリス史上、最も有能な国王と言っても差し支えないと思います。イングランドを強国に押し上げた人物です。しかし、人間としては、かなりひどい人物です。彼は、嫡男に恵まれませんでした。彼は、嫡男を得るため、禁じ手を使ったり、無実の罪で殺したりして、次々と新しい女性に乗り換えていきました。その結果はどうだったかというと、あまりに皮肉な結果に終わりました。それについては、別項で語るかもしれません。

関心がある「歴史上」の人物リスト【フ】訂正版 84人

ファインマン(1918~88)米の物理学者。ノーベル賞受賞。文筆家として優れて人気。

ファーブル(1823~1915)仏の昆虫学者。大著『昆虫記』は世界中で翻訳愛読されている。

フアレス(1806~72)メキシコの政治家。インディオ出身。メキシコの近代化に努める。

ファン=アイク兄弟 フランドルの画家。油絵技法を改良して北欧ルネサンスの先駆者。

フィッツジェラルド(1896~1940)米の作家。「狂騒の20年代」の代表的存在。後に没落。

フィリップ4世(1268~1314)仏王。国家統一を推進。教皇を憤死させ、ユダヤ人を迫害。

フィルドゥーシー(934頃~1020/25)イランの抒情詩人。長大な叙事詩『王の書』を完成。

エドガー・フーヴァー(1895~1972)米の司法官僚。FBI長官に終生君臨。同性愛者。

フェルマー

ヨハネス・フェルメール(1632~75)蘭の画家。19世紀「再発見された」バロックの巨匠。

フォークナー(1897~1962)米の小説家。陰惨で醜悪な人間心理を描写。経済難にあえぐ。

フォスター(1826~64)米の作詞・作曲家。不遇のまま事故死も楽曲は愛唱されている。

フォックス(1624~91)英の宗教改革家。内面を強調するフレンド派創始者。激しい排斥。

ヘンリー・フォード(1863~1947)米の実業家「自動車王」。自動車の大量生産を導入した。

フォン・ノイマン

深作欣二

プガチョフ(1740/42~75)露の農民反乱指導者。反乱は広範囲に及んだが鎮圧され処刑。

溥儀

アンディー・フグ

福沢諭吉

ミシェル・フーコー(1926~84)仏の哲学者・精神病理学者。西欧近代合理主義を批判。

藤圭子(1951~2013)歌手。可憐な容貌から発せられるドスの効いた「怨歌」で一世風靡

藤子F不二雄(1933~96)漫画家。本名藤本弘。『ドラえもん』他数々の人気作品を残した。

藤沢武夫

藤田まこと(1933~2010)俳優・芸人。舞台・テレビ・映画・CMで幅広く活躍。

藤原薬子

藤原定家

藤原信頼

藤原秀衡(?~1187)平安後期の豪族。奥州藤原氏最盛期を担った。源頼朝と対立。

藤原不比等

藤原道長

藤原頼通

ヤン・フス(1370頃~1415)チェコ宗教改革家。火刑に処された。チェコ語統一に貢献。

ヤコプ・フッガー(1459~1525)独の金融・商業資本家。フッガー家を急成長させた。

フッサール(1859~1938)独の数学者・哲学者。彼が創始した現象学は20世紀学問に影響。

プッチーニ(1858~1924)伊の作曲家。イタリア=ロマン派歌劇の代表的作家。

仏図澄(?~348)中国西域クチャの生まれの僧侶。五胡十六国時代の中国で布教を行った。

武帝(前156~前87)中国前漢の皇帝。最盛期を演出。晩年は財政窮乏・民力疲弊を招く。

プトレマイオス(?)2世紀ギリシア天文学者・数学・地理学者。古代最後の大科学者。

フビライ=ハン(1215~94)モンゴル帝国第5代皇帝。中国元朝初代皇帝。

フマーユーン(1508~56)印、ムガル朝皇帝。イラン文化を好む教養人。決断力に欠けた。

ジェームズ・ブラウン(1933~2006)米の音楽家。ソウルフルな歌唱と革新的なファンク。

ラクシテレス(?)前4世紀中頃のギリシアの彫刻家。洗練優美な作風で同時代の代表。

プラトン(前438頃~前347)古代ギリシアの哲学者。師の教えを発展。アカデメイア創設。

ブラームス(1833~97)独の作曲家。シューマン世に紹介。古典派の伝統に立脚した作風。

ブランキ(1805~81)仏の革命家・社会主義者。バブーフを尊敬。後の革命理論に影響。

アンネ・フランク(1929~45)ユダヤ系。強制収容所で病死。死後『日記』ベストセラー。

アレサ・フランクリン(1942~2018)米の歌手。圧倒的な歌声を持つ「ソウルの女王」。

フランクリン(1706~90)米の政治家・科学者・著述家。それぞれで超一流の実績を残す。

VIフランクル(1905~97)墺の心理学者・脳外科医。ナチス強制収容所から生還した。

フランコ(1892~1975)スペインの軍人・政治家。スペイン革命後実権を握り総統となる。

フランス=ギャル(1947~2018)仏の歌手。1960年代、フレンチポップスのアイコン。

アッシジのフランチェスコ(1181/82~1226)伊の聖職者。フランチェスコ修道会を創設。

フランツ=ヨーゼフ1世(1830~1916)オーストリア皇帝。ウィーンの近代化に努める。

GPフリードマン(1902~77)仏の社会学者。労働社会学展開、労働者の人間疎外に焦点。

ミルトン・フリードマン

フリードリヒ2世(1712~86)プロイセン王。プロイセンを強国に導いた。

プリニウス(23/24~79)古代ローマ博物学者・政治家。唯一大著『博物誌』のみ現存。

ブリューゲル(1525?~69)フランドルで活動した画家。北方ルネサンスを代表する一人。

プリンス(1958~2016)米の歌手。音楽家としてあらゆる才能に恵まれたカリスマ。

ブルクハルト(1818~97)スイスの美術史家・文化史家。深い造詣に基づき著述を行った。

古田織部(1544~1615)近世初期の大名。利休の高弟で大名茶を完成。大坂夏の陣後自刃。

プルタルコス(50?~120頃)古代ローマの著述家・哲学者。ギリシア人。博識で有名。

アンドレ・ブルトン(1896~1966)仏の詩人・作家。多彩な芸術活動を行う。

ピエール=ジョゼフ・プルードン180965

ディック・ブルーナ(1927~2017)蘭のグラフィックデザイナー・絵本作家。

ブルネレスキ(1377頃~1446)伊、ルネサンス期の彫刻家・建築家。生涯独身。

ジョルダーノ・ブルーノ(1548~1600)伊、ルネサンス期の哲学者。異端審問の末火刑。

ウィリアム・ブレイク(1757~1827)英の詩人・画家。後世の学者・芸術家に大きな影響。

ハル・ブレイン(1929~2019)米のドラマー。のべ3万5千曲ほどの録音に参加した。

プレヴェール(1900~77)仏の詩人。独学でシャンソンの作詞や演劇・映画の脚本を行う。

JGフレーザー(1854~1941)英の社会人類学者。大著『金枝篇』に半生を注いだ。

エルヴィス・プレスリー(1935~77)米の歌手・俳優。世界史上「最も売れた」ソロ歌手。

ブレヒト(1898~1956)独の劇作家・詩人。現実への仮借ない批判と風刺で各国で活動。

イアン・フレミング(1908~64)英の作家。〈007シリーズ〉が各国で大ヒットした。

フロイト(1856~1939)墺の精神病理学者。精神分析学を創始。文学など各方面に影響。

プロコフィエフ(1891~1953)ソ連の作曲家・ピアニスト。ソ連帰国後激しい批判に遭う。

ブロック(1886~1944)仏の中世史家。アナール学派の一人。レジスタンスに参加。銃殺。

プロティノス(205頃~270頃)古代ギリシアの哲学者。「新プラトン派」の代表的思想家。

エーリッヒ・フロム(1900~80)独生まれユダヤ社会心理学者・哲学者。新フロイト派。

エミリー・ブロンテ(1818~48)英の作家。代表作『嵐が丘』のヒットを見ずに亡くなる。

フワーリズミー(780頃~850頃)アッバース朝期、イラン系数学者・天文学者・地理学者。

文成公主(?~680)中国、唐朝の皇女。チベット王室に嫁ぎ、唐の文物・文化を伝えた。

フンボルト(1767~1835)独の外交官・言語学者。言語こそ国民性・民族性の表現と主張。

 

こちらが、最大派閥ですかね。改めて眺めても、関心ある方々ばかりですね。敢えて2人挙げますか。

 

フビライ=ハン。彼が構想したことは、あまり実現しなかったと言えると思います。しかし、彼の構想は、現在の中国に綿々と受け継がれていると思います。

 

フランツ=ヨーゼフ1世。ハプスブルク帝国の事実上最後の皇帝です。70年近く君臨し、業績もそれなりに残しました。最期は、大往生でした。それなのに、彼は、家庭の幸せとは程遠かったです。業績があり、大往生を遂げた分、その家庭的な不幸ぶりは際立ちますね。

関心がある「歴史上」の人物リスト【ヒ】 23人

ピアジェ(1896~1990)スイスの心理学者。発達心理学者として児童教育に大きな影響。

エディット・ピアフ

ブロニスワフ・ピウスツキ

パブロ・ピカソ(1881~1973)スペインの画家。

樋口一葉(1872~96)明治中期の歌人・作家。一家の家計を担いつつ、庶民の哀感を表現。

ピサロ(1478頃~1541)スペインの軍人・探検家。インカ帝国の征服者。

土方歳三

ビスマルク(1815~98)プロイセンドイツ帝国の政治家。首相兼外相としてドイツ統一

Hide(1964~98)Xジャパンのギタリスト。ソロ転向後不慮の死。

アドルフ・ヒトラー(1889~1945)ドイツの政治家。ナチス党首。総統。

ヒムラー(1900~45)ドイツの政治家。ゲシュタポ長官として過酷な弾圧と大虐殺を推進。

ハワード・ヒューズ(1905~76)米の実業家。奔放かつ謎の私生活と政権との癒着で悪評。

ホイットニー・ヒューストン

ピュタゴラス(前570頃~前495頃)古代ギリシアの哲学者・数学者。宗教団体結成。

ヒューム(1711~76)英の哲学者・数学者。経験論を継承、功利主義的社会経済理論展開。

ピュリッツアー(1847~1911)米の新聞経営者。ハンガリー生まれ。ハーストと報道競争。

ピョートル1世(1672~1725)ロシア皇帝。ロシア絶対王政確立。豪放さと残忍さを持つ。

平尾誠二(1963~2016)ラグビー選手・指導者。抜群のキャプテンシーで活躍。病死。

平塚らいてう(1886~1971)大正・昭和の婦人運動家。青鞜社を結成。

ビリャ(1878~1923)メキシコの政治家。メキシコ革命指導者。革命後暗殺される。

ピレンヌ(1862~1935)ベルギーの歴史家。ベルギー史とヨーロッパ中世社会経済史業績。

ピンダロス(前518頃~前438頃)古代ギリシアの叙情詩人。大胆な想像と比喩で有名。

オサマ・ビン・ラディン

 

かなり問題ある方々が顔を揃えていますね。特にそれについて、この場ではコメントしません。ただ、最後の人物については、どんな形であれ、法廷に引っ張り出すべきだったと思います。あれだけの事件を起こしたのだから、彼には語る「義務」があったと思います。だから、私は、彼の殺害に関わった方々を「英雄」だと、単純に言うことはできません。

こんなこと言うと、人間性を疑われるかもしれませんが、それでも私は構いません。私の人間性など、クソみたいなものですから。

関心がある「歴史上」の人物リスト【ハ】 71人

エドワード・ヴァン・ヘイレン(~2020)

ハイエク(1899~1992)墺の経済学者・哲学者。多分野で業績残した代表的自由主義者

マルティン・ハイデガー(1889~1976)独の哲学者。独自の実存哲学を展開した。

ハイドン(1732~1809)オーストリアの作曲家。ドイツ古典派音楽を確立。「交響曲の父」。

バイバルス1世(1223?~1277)エジプト、マムルーク朝のスルタン。実質上の建国者。

オマル・ハイヤーム(1048頃~1122?)イランの詩人・天文学者・数学者・哲学者。

バイロン(1788~1824)英の詩人。放埓な生活の中から傑作を生みだす。ギリシアで病死。

ハーヴェー(1578~1657)英の医者・生理学者。血液循環理論を実験により再興・進展。

馬遠(?)中国、南宋期の画家。特に山水画に優れ、北宗画の第一人者とされる。

白隠(1685~1769)江戸中期の臨済宗禅僧。禅の民衆化に努め、大胆で特異な禅画を残す。

パガニーニ(1782~1840)伊の作曲家。超絶技巧のヴァイオリン奏者。金銭への執着強し。

萩原健一(1950~2019)歌手・俳優。破天荒な人生を送るも後の俳優等に多大な影響。

萩原朔太郎

白居易「白楽天」(772~846)中国、唐朝中期の詩人。流麗で平明な作風で広く愛読される。

ローザ・パークス(1913~2005)米の女性公民権運動家。彼女の行動が運動を盛り上げた。

バクーニン(1814~76)露のアナーキスト・革命家。国家権力を否定。後進に大きな影響。

バーグマン(1915~82)欧米で活躍した俳優。スウェーデン出身。5か国語を操った才女。

ハサン=アルバンナー(1906~49)エジプトの宗教・社会運動家。「同胞団」を結成。

パース(1839~1914)米の哲学者・数学者・物理学者。死後出版された膨大な論考で評価。

パスカル(1623~62)仏の数学者・物理学者・哲学者。代表作『パンセ』は死後編纂。

バスターミー(?~874)初期イスラーム神秘主義者。イラン系。独自の思想を展開。

パステルナーク(1890~1960)ソ連の詩人・作家。ノーベル文学賞辞退を余儀なくされる。

パストゥール(1822~95)仏の化学者・細菌学者。ワクチン接種の伝染病予防法を一般化。

パスパ(1235頃~80)チベット仏教サキャ派の教主。フビライから信任。パスパ文字考案。

イブン・ハズム(993~1064)イベリア半島イスラーム神学者・法学者・文学者。恋愛詩。

長谷川一夫(1908~84)俳優。日本映画界代表する二枚目時代劇スター。没後国民栄誉賞

長谷川等伯(1539~1610)長谷川派始祖。豪華絢爛な障壁画と湿潤な水墨画双方に長ける。

支倉常長(1571~1622)伊達政宗の家臣。ローマに派遣され教皇に面会した。

バタイユ(1897~1962)仏の小説家・思想家。放埓な生活・思想的遍歴で現代思想に影響。

八大山人(1625~1705頃)中国、明朝~清朝期の画家。個性と反骨精神に富む作風。奇行。

ハチャトゥリアン(1903~78)ソ連の作曲家。現ジョージア生。伝統と革新性両面に富む。

イブン・バットゥータ(1304~69?)ベルベル系の旅行家。口述による『三大陸周遊記』。

服部半蔵

バッハ(1685~1750)独の作曲家・オルガン奏者「大バッハ」。古典派音楽を確立した。

ハッブル(1889~1953)米の天文学者。系外銀河の発見など現代宇宙論の基礎を築く。

ハーディー(1840~1928)英の作家・詩人。悲観主義哲学の影響を受けた小説や詩で有名。

ハディージャ(?~619)ムハンマドの最初の妻。預言者となったムハンマドを支えた。

パデレフスキ(1860~1941)ポーランドのピアニスト・作曲家・政治家。首相も務めた。

ニール・パート(~2020)カナダのロックバンド、ラッシュのドラマー、作詞家。

イザベラ・バード(1831~1904)英の旅行家・紀行作家。日本はじめ世界各国を旅行。

ハトシェプスト(?)前15世紀、古代エジプトの女王。平和政策で次代の発展の礎築く。

クリフ・バートン(1962~86)米の音楽家。「メタリカ」初代ベース。ツアー中事故死。

華岡青洲(1760~1835)江戸時代の外科医。史上では初の全身麻酔成功。門弟育成にも力。

バーナード(1886~1961)米の電話会社社長。組織均衡論を完成させ初期経営学者の代表。

英一蝶(1652~1724)江戸中期の絵師。狩野派から破門後、もっぱら江戸風俗を描いた。

羽仁もと子(1873~1957)大正・昭和期の婦人運動家・女子教育者。1921年自由学園創設。

ハーフィズ(1325/26~1389/90)イランの詩人。恋・酒・自然を主題とし東西に影響大。

バブーフ(1760~97)仏の社会思想家・政治家・革命家。共産主義の先駆者とされる。

バーブル(1483~1530)インド、ムガル朝創始者中央アジア出身。文人としても優れる。

ハマーショルド(1905~61)スウェーデンの法学者・経済学者・政治家。第2代事務総長。

馬融(79~166)中国、後漢期の儒学者。1000人以上弟子を育成。規範に縛られない生き方。

原敬(1856~1921)大正時代の政治家。華族以外で初めて首相となる。東京駅で暗殺。

パラツキー(1798~1876)チェコの歴史家・哲学者・政治家。チェコ民族運動。著書多数。

ハリー(1656~1742)英の天文学者・数学者。ハリー彗星の周期を予言。統計学にも貢献。

ジョージ・ハリスン

ハリマン(1848~1909)米の鉄道経営者・金融資本家「鉄道王」。独占資本時代を象徴。

バルザック(1799~1850)仏の小説家。大胆な典型化と対比により自然主義文学の先駆者。

ロラン・バルト(1915~80)仏の作家・批評家。多様な分野で記号論的分析による批評。

イブン・ハルドゥーン(1332~1406)北アフリカ生まれの歴史哲学者・社会理論家。

バルトーク(1881~1945)ハンガリーのピアニスト・作曲家。民族音楽的手法を確立。

パレート(1848~1923)伊の経済学者・社会学者。厚生経済学を基礎づけ独自の社会学

パンカースト(1858~1928)英の女性参政権獲得運動指導者。ハンガーストライキを考案。

バーンスタイン(1918~1990)作曲家・指揮者。ユダヤ系。米出身の最初の国際的指揮者。

モンキー・パンチ

班超(32~102)中国、後漢の将軍。西域諸国を服属させ、西域都護として統轄した。

半藤一利

ヴェアナ・パントン(1926~98)デンマークのデザイナー。独特の感性でモダンな作風。

ハンニバル(前247~前183/182)北アフリカ、古代カルタゴの将軍。

ジェフ・ハンネマン(1964~2013)米スレイヤーのギタリスト。全世界に残虐音を鳴らす。

ハンムラビ(?~前1750頃)バビロン第一王朝第6代王。四方を征服、内政・建築を充実。

万暦帝(1563~1620)中国、明の皇帝。親政後、宦官を重用、政治混乱と財政破綻を招く。

 

たぶん、最大の人数です。ハとパとバとヴァが合わさっていますので、当然の結果ですかね。改めて眺めても、いまだに強い関心を抱いている方々ばかりです。挙げているとキリがないので、1人だけにします。

 

バーブルですね。私が、最も尊敬する世界史上の偉人は誰かと聞かれたら、彼の名を挙げています。まずは、文武両道で優れていたこと。次に、「奇跡のV字回復」と言える波乱万丈の人生ですかね。以前、歴史に全く興味のない友人に、これらを膨らまして話したら、割合腑に落ちていた感じでした。

『ZARD 坂井泉水 心に響くことば』(町田市民文学館ことばらんど) 2021年7月7日(水)

ファン以外には格別話題になっている展覧会ではなかったため、何か特別新しいことを知ることを期待して向かったわけではありません。ただ、友人が先に観に行ったため、やや対抗心を燃やして、観覧することに決めました。大人げないというか、本質的な理由からは外れていますね。

 

会場そのものが狭かったため、2往復しても、30分ほどで鑑賞が終わってしまいました。それでも、不満をあまり感じなかったのは、ZARDの音楽が流れた室内で、坂井泉水さんの直筆原稿などを鑑賞することができたからでしょう。それに触れることができた喜びが大きかったのは、事実です。

 

あえて不満を挙げるならば、作詞家坂井泉水の「ことば」に対する分析が少なかったことでしょうか。正直1ファンとしては、坂井泉水さんの直筆を目の当たりにできただけで満足であり、そんなことはどうでもいいんですがね。ただ、私は、常々、作詞家坂井泉水に正当な評価が与えられていないのではないか、という疑念を抱いています。今回は「文学館」での開催ということもあり、その部分を「わずかに」期待していました。

 

まあ、結果は予想通りでした。坂井泉水さんが、石川啄木氏や中原中也氏を愛読していたらしいことは分かりました。でも、彼ら2人は、文学好きならば、かなりの方々が通過していると思います。そのような中で、坂井泉水さんが、仕事だったとはいえ、なぜ彼らの「ことば」を、自らの作品に昇華できたのかが分かりません。

 

愛読書も展示されていましたが、1冊1冊は、目新しいものではありません。所属事務所社長の長戸氏は、作詞を担当することが決まった坂井泉水さんに、文学作品や芸術作品に触れて、感性を磨くように指示したそうです。そこから推測するに、その時の坂井泉水さんは、まだ文学的・芸術的な蓄えがあまりなかったのだと思います。どういう要素が、1人の歌好きの小娘(失礼!)を、わずかな期間で1人の表現者にしたのか、全く分かりません。

 

理由の一つとしては、情報、さらには資料不足があるのでしょう。もともと、坂井泉水さんは、メディア露出が極端に少ない方でした。それに加え、提供された資料が、これらを検討するにはあまりに少なかったのではないか、と思います。たぶん、できうる限り最大限の展示をしていると、私は解釈したので、不満はあまりなかったわけです。

 

ただ、最大の理由は、個人的には違うと思っています。特にファンの中では、ZARDがまだ「伝説」「歴史」になっていないからではないかと、一方的に思っています。坂井泉水さんは亡くなりましたが、少なくともファンの間ではまだ、ZARDは「現在進行形」の存在なのではないかと、推測しています。それが、冷静な分析を拒む風潮を生み出しているのではないかと、決めつけています。

 

実際、私の中でも、坂井泉水さんは、まだ「生々しい」存在として残っています。会ったこともないし、メディア露出もほとんどしない方だったのに、奇妙な話です。私は、坂井泉水さんのお別れ会には行っていません。そんな私がそうなのだから、あの時参列するくらい熱意があった方々は、なおさらそうだと、推測するんですよね。

 

今回の展覧会では、私にとって、ZARD、そして坂井泉水さんがどんな存在だったのか確認したいなという思いがありました。でも、今回の展覧会では、ますます謎が深まりましたね。たぶん、一生晴れることはないでしょうね。私には、好きなミュージシャンが、国内外問わず、数多くいます。その中でも、ZARDは、特異な位置を占めていくんだろうなと思いました。書籍も2冊買っちゃたし……って、ますます術中に嵌っている?おあとがよろしいようで。